オフィスワークをしているとほぼ全員が触るのがExcel(スプレッドシート)です。
Excelの熟達レベルによって仕事の効率は大きく変わります。
Excelに関わる仕事を効率こなせれば、Excel以外の仕事に割く時間を増やせます。
Excelがどのくらい出来るか?
は、成果を出したいオフィスワーカーにとっては重要な要素といえます。
(Excelが全て、、、と言う訳ではなく、全体的な効率の良し悪しの話です)
ということで、
Execlの上級者と呼べるのはどんなスキルレベルの人か?
を考えてみたいと思います。
Ecxel(スプレッドシート) 中級者どまりの人
一般的にExcelが出来るというと、、、
- VLOOKUP関数が使える
- COUNTIFS関数が使える
- PIVOTテーブルが使える
- 記録マクロが作れる
- VBAを編集できる
- VBAが書ける
などのスキルセットがイメージできるかと思います。
これらのスキルは、Excelの作業を効率的に行う上、とても役立ちます。
ただ一方で、
Excelで作る表やレポート自体の品質が低い場合、その作成効率をいくら上げたところで、品質の低いアウトプットにしかなりません。
低品質レポートを作る効率をいくら上げても、低品質レポートしか生み出せない
ということです。
表やレポートの品質自体を上げられる人、つまりは、、、
仕事のアウトプット品質を上げられる人が、Excelの上級者
と言えます。
どんなに関数を使いこなせても、VBAやGoogle Apps Scriptが書けても、それだけだと中級者止まりです。
Excel(スプレッドシート) 上級者の条件
それではどんな条件、ひいてはスキルがあれば、Excelの上級者と呼べるでしょうか。
筆者は、次の2つのスキルがExcel上級者の条件だと考えています。
- 目的に沿って最適な表やレポート自体の設計ができる
- データと表示を分けた設計ができる
関数やVBAであれば、書籍や他の人のコードの丸写しをすることも可能です。
一方で上で挙げたスキルは、仕事の状況によってアウトプットが異なるので、丸写しは出来ません。
「自称・上級者」を見分けるのにも使える基準だと、筆者は考えています。
目的に沿って最適な表やレポート自体の設計ができる
関数やVBAがどんなに熟達していても、そのスキルを使う元の素材が悪ければ、意味が薄くなります。
低品質レポートを作る効率をいくら上げても、低品質レポートしか生み出せない
ということです。
Excel(スプレッドシート)はとても便利ですが、アウトプットを出すための道具です。
アウトプットを出すために必要となる表やレポートを作ることで、その道具の効果は最大化します。
レポートの設計の方法
それでは、良い表やレポートの作り方はどういったものでしょうか。
携わる仕事によって最適なものは変化しますので、完全な答えを出すのは難しいです。
しかしながら筆者の経験上、上手くまとめやすいレポートの設計パターンがあるので紹介させていただきます。
- 最初にパッと見たい数字を並べる
- その数字の変遷を追えるようにする(伸びているのか?縮小しているのか?)
- その数字を構成する要素を表やグラフで見せる(どの要素が貢献しているのか?)
上記の例は、Webプロモーションのレポートをイメージしています。
上から順番に
対象となる活動(この場合はWebプロモーション)がうまく行っているかどうかを俯瞰
一定期間(例えば1ヶ月)の間で、良くなっているのか?悪くなっているのか?を俯瞰
パッと見たい数字を構成する要素(Webプロモーションの場合だと、掲載媒体などになります)が、全体成果にどのような影響を与えているかを確認
といった流れになります。
この流れの中で、パッと見たい数字(KPI)をより改善するための打ち手(どの要素を弄るか)を考えて行くことが出来ます。
対象となる仕事によって、見るべき数字や、期間、要素の内容は異なりますが、概ねこの流れに沿っていくと、うまくまとまりやすいです。
筆者はレポート設計、作成業務のフロー化、フローの最適化などを得意としていますので、もしお手伝いが必要な案件などあれば、お問い合わせフォームかTwitter DMなどからお声掛けくださいませ。
データと表示を分けた設計ができる
もう1つの上級者の条件は、見た目の設計ではなく、どのような作りにするか?という点です。
設計したレポートや図表には、変更や改善のフィードバックが必ず来ます。
その時に備えて、変更しやすい構成にしておく必要があります。
その変更しやすい構成が、
以下のような データと表示を切り分けた設計となります。
最終的に表示するレポートに直接、数字を入力するのではなく、
- 適切な粒度のデータベースを別シートで用意し
- 関数、PivotTable、VBAなどでデータを処理(計算)し
- 設計したレポートに表示させる
という流れになります。
この流れを作ることができると、集計の仕方を変えるだけで様々な角度から数字を見ることが出来ます。
Excelでこの状態を実現できる人は、確実にExcel上級者と呼ぶことができると、筆者は考えます。
Excel上級者スキルの学習方法
Excel上級者スキルである、レポートの設計を学習するための素材は、かなり少ないです。
VBAや関数のように汎用化していない分、習得できれば、希少性の高い人材になることができます。
学習できる書籍となると、以下の2冊を挙げることができます。
Excelスキルではないですが、レポートの構成やビジュアルを学習できる数少ない本(というかほぼ一択)
Chapter8とChapter9で、マーケティングの現場で本当に使えるレポートが学べます
まとめ
この記事ではExcel(スプレッドシート)の上級者と呼べるスキルセットについて解説しました。
関数、VBAなどだけ熟達しても上級者ではなく、
- 目的に沿って最適な表やレポート自体の設計ができる
- データと表示を分けた設計ができる
というのが上級者の条件であると考えています。
これらのスキルは、特定の事業環境だけではなく、汎用的に使えるスキルセットになります。
オフィスワーカーにとって重要な道具であるExcel(スプレッドシート)。
それをより高いレベルで使いこなし、仕事の品質を上げるために、役立つスキルと言えます。
今回紹介したスキルを使って、皆さんの仕事や収入がより良い状態になることを願っています。