多くの初心者ブロガーさんは、ブログ運営初期の大きな目標として、Googleアドセンス合格(=媒体としてアドセンス審査通過)が設定しています。
アドセンス合格に至るまで、幾度か不合格(審査不通過)になるケースも多く有るかと思います。
アドセンス不合格になると、気落ちしてしまうのは当然のことです。不合格をTwitterなどで発言すると、その気落ちしたところに「コンサルタント」が寄り添ってきて、アドセンス合格コンサルのオファーをしてきます。
今回は、そういったオファーを受ける前に知っておくことで、より良き判断が出来るような情報をご覧いただければと思います。
ブログ初心者を狙うアドセンス合格のコンサル
合格コンサルタントに期待するサービスとして「誰かに相談出来る環境を作る」ということであれば成立すると考えています。それを納得し、ブロガーさんが自分のお金を支払うのは何にも問題はありません。
モチベーションを維持する上で相談相手がいるということはとても有効だと思います。
その一方で、、、
コンサルタントに合格させてもらう、ということは出来ません。
- アドセンスのパブリッシャー(媒体/ブログ)向けの審査基準は明確でないため
- アドセンス審査はGoogleの中の人によって行われ、人によって微妙に審査基準が変わってくるため
つまりは、部外者が明確な成果を出せる環境ではありません。
「XX回 不合格になった経験」なんてものは、合格に向けては役にも立たないのです。
Google広告を出稿する際も同様で、最終的な審査結果については。多少なりとも運の要素が含まれてきます。
成功報酬型のアドセンス合格コンサルなら良いのでは?
合格後の成功報酬型を訴えている人たちもいますが、審査申請を繰り返していれば、運の要素も噛み合って、そのうち成果(審査合格)に至ります。
つまりは合格したからと言って、それは本当に「合格コンサルタント」の成果なのかは、誰にも分かりません。
余談になりますが、筆者が考えるコンサルティングという仕事の原則は、
- 成果保証は出来なくても、成果を出すための仕事にコミットする
- 成果発生のプロセスに直接的に貢献する
だと考えています。
「アドセンス合格」というコンサルティングについては、合格に向けた直接的な貢献は出来ません。
これは各コンサルタントの資質というより、Googleアドセンスという環境自体の話です。
コンサルティングが成立しない環境です。
まずはGoogleが公開している情報、ネット広告業界の動向、そして実際に審査合格したブログを見てみた上で、何を「コンサルタント」に求めるのかを改めて明確にしてから、お金を払うのが良いと筆者は考えています。
Googleは誰に向かって仕事をしているか
まずは、アドセンス自体がどのような流れで、皆さんのブログに広告配信を行っているかを確認してみます。
配信されている広告には、全て広告主がいて、広告主が広告料金(=お金)を支払うことですべての関係者に収益が発生します。
このことから考えると、Googleが誰を向いて仕事をするかと言うと、当然ながら広告主ということになります。
ひいては、アドセンスを通じて配信する媒体(メディアやブログ)を選定する際は、
- その媒体は、広告主が高く買ってくれそうかどうか?
- その媒体に配信することで広告主のブランドを傷つけることはなさそうか?
- ブランドが直接傷つくまではいかなくとも、広告主からの不興を買うことはなさそうか?
ということが考えられます。
語弊があるとはあるとは思いつつザックリと言ってしまうと、広告主さんからツッコミを受けづらいちゃんとした配信先を選ぶ、ということになります。
この「ちゃんとした」というのを、2つの観点から考えてみたいと思います。
ちゃんとしたコンテンツ(内容)を掲載しているか
最初の基準は、ブログの内容についてです。
以前、大手のブランド広告主のYouTube広告が、テロ組織の動画の再生前に配信されたことで大きな問題になって以降、Googleでも、配信されるサイト/ブログのコンテンツにより注意をするようになりました。
注意する基準を具体的に記載してあるのが、Google パブリッシャー向けポリシーになります。この中のコンテンツポリシーの項目で許可されないコンテンツが明記されています。
- 違法なコンテンツ
- 知的財産権の侵害
- 危険または中傷的なコンテンツ
- 動物への虐待行為
- 不適切な表示に関連するコンテンツ
- 誤解を招く表現
- 信頼性がなく有害な文言
- 欺瞞行為
- 操作されたメディア
- 不正行為を助長する商品やサービス
- 悪質なソフトウェアまたは望ましくないソフトウェア
- 諸々性的なもの
どういったものが、それぞれの項目に当てはまるかは、 Google パブリッシャー向けポリシー のページに詳細がありますので、そちらから確認してみてください。
加えて、制限コンテンツというものがあります。この制限コンテンツは禁止事項ではありませんが、制限コンテンツが含まれるブログの場合、広告の供給が制限されてしまうため、収益に結びつきづらくなってしまいます。
Googleパブリッシャー向け 制限コンテンツ
- 性的なコンテンツ
- 衝撃的なコンテンツ
- 爆発物に関するコンテンツ
- 銃や銃の部品と関連商品に関するコンテンツ
- その他の武器および兵器に関するコンテンツ
- タバコに関するコンテンツ
- 危険ドラッグに関するコンテンツ
- アルコールの販売や乱用に関するコンテンツ
- オンライン ギャンブルに関するコンテンツ
- 処方薬に関するコンテンツ
- 未承認の医薬品やサプリメントに関するコンテンツ
つまり、制限コンテツを含む場合、Googleにとっても収益を生みづらい(美味しくない)状況になります。
Googleの審査は人が行うことを考えると、美味しくなさそうなブログに対する審査がどのようになりそうかは、想像に難くないと思います。
個人のブログサイトにおいて、抵触しがちな項目としては、
- 電子タバコで一服してリラックスしたよ、的な記事
- 仕事終わって家でストロング缶を飲んで楽しかったよ、的な記事
- 買った痩身サプリメントが良かったよ、的な記事
あたりでしょうか。
制限コンテンツがあると即不合格というわけではありませんが、審査する人の立場に立って考えてみて、それがポジティブに作用するか、ネガティブに作用するかを想像してみるのは、重要なことだと筆者は考えます。
ちゃんとした運営をしているか
続いての項目も、ポリシーページに記載があります。ここで注目しておくべきなのは、次の2つの項目です。
- プライバシーに関するポリシー
- ウェブマスター向けのガイドライン
プライバシーに関するポリシー
プライバシーに関するポリシーは、一般的に出回ってる「プライバシーポリシー」のテンプレを使っておけば、概ねクリア出来る内容になっています。
ただ、テンプレを貼って終わりではなく、ブログ運営者として、記載内容を遵守する必要がありますので、Googleのポリシーを含め、しっかりと内容を理解しておくことをお勧めします。
またプライバシーポリシーへのリンクは、サイト訪問者にとって分かりやすい位置に設置しておきます。
ウェブマスター向けのガイドライン
この項目はガイドラインとなるため、ポリシーよりもやや重みは少ないと思われますが、今後のブログ運営上においても有用な項目となりますので、遵守しておくに越したことはありません。
- Google がページを検出できるよう手助けする
- Google がページを理解できるよう手助けする
- 訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
上記に加えて、ページ下部にある「品質に関するガイドライン」については、実施してしまうとGoogleのインデックスから外されてしまったりしますので、抵触しないよう注意が必要です。(普通に運営していれば問題はありませんが)
ネット広告市場のトレンドから考える重要事項
日本のネット広告市場において、以下の2点は大きなトピックとなっています。広告市場に関わるということは、その配信先であるアドセンス、ブロガーさんにも影響が出る事項となります。
プライバシー関連の制限強化
過去10年くらいネット広告は、個人をターゲティングした広告配信が主流でした。身近な例で言うと、賃貸サービスのサイトを訪れた後は、他のサイトでも賃貸物件のリスト広告が表示される、といったものです。
このターゲティングを可能としたのが、cookie(クッキー)や、スマホに付与された広告識別ID(IDFAやAdvertising ID)という技術です。
こういった識別や追跡が、プライバシーを侵害しているのではないか?という論調が強まるにつれ、この識別技術自体を規制、廃止するという動きが活発になっています。
プラットフォーム別で見てみると、ザックリ以下のような規制となっています。
プラットフォーム | 対象 | 概要 | 規制開始時期 |
---|---|---|---|
Web(PC/スマホ) | Chrome(ブラウザ) | 2023年までに第三者が発行したCookieの利用が出来なくなる。当初は2022年までに全廃予定だったが、延期された | 2023年予定 |
Web(PC/スマホ) | Safari(ブラウザ) | 徐々に規制が強化され、第三者が発行したCookieの使用は出来なくなり、自社で発行したCookieも24時間のみ有効 | 2017年 |
スマートフォンアプリ | iOS(iPhone、iPad) | iOS14.5以降、IDFAという広告識別子を取得が、アプリごとに利用者の明確な許諾が必要となった | 2021年 |
スマートフォンアプリ | Android | Android 12以降、AdvertisingIDという広告識別子の取得を、使用者がオプトアウト(不許可)した場合、取得できなくなった | 2021年 |
プライバシー関連の規制が強化されていることから、アドセンスに参加するブログサイトに対しても、プライバシーポリシーの遵守がより厳格に求められてくることになります。
プライバシーポリシーの内容に不備がないか、問い合わせフォームからプライバシーポリシーの確認ができるか、などもチェックしておくと良いかと思います。
薬機法の改正による規制強化
2021年8月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(通称、薬機法)の改正がありました。詳細は、ECプロモーションの第一人者でもある、加藤公一レオさんの以下の記事を御覧ください。(筆者が説明しても生兵法になるので、ここは権威の記事を読んで頂いたほうが有用です)
この法律による規制対象となる商品に「化粧品」が含まれます。さらに規制対象者に「アフィエイター」も含まれます。
Googleも広告主に対し薬機法の遵守を課していますので、広告を掲載するブログ側にも当然ながら遵守を求めると考えられます。
「化粧品」に関する記事を書かれているブロガーさんは多くいらっしゃると思いますので、薬機法の規制に掛かる表現をしていないかの確認は必要になってきます。
コンサルなしでも出来る合格ブログの観察
繰り返しになりますが、外部のコンサルタントが具体的な成果を出せる環境ではありません。
※コンサルタントが悪いのではなく、Googleアドセンス自体の環境が起因するものです。
記事のここまでで見てきた、Googleの公開しているヘルプページの情報や業界動向に加え、実際にアドセンス合格をしたブログを観察することで、合格へのヒントを見つける事ができると考えています。
Twitterで「アドセンス合格」と検索し、直近でアドセンス合格されたブログを50サイト分、実際に拝見して、その傾向を調べてみました。
※もし、何らかお役に立ったのであれば、ブログランキング系のバナーをポチっていただけますと大変励みになりますw
主要要素の有無とリンク設置場所
アドセンス審査時に必要と言われている、
- プライバシーポリシー
- 免責事項
- 問い合わせフォーム
- サイトマップ(ユーザーにとって可視なもの)
の4つの要素の有無、およびリンクの設置場所について調査結果です。
「プライバシーポリシー」や「問い合わせフォーム」を目立つ位置に、、、というアドバイスを元にヘッダーに設置するケースもあるようですが、合格ブログを見る限り、ヘッダー設置は必須ではないようです。
Webサイトのお作法的なものとしては、これらの要素はフッターにあるケースが多いようです。
審査する人によっては、フッターを見てプライバシーポリシーへのリンクがなければ、「プライバシーポリシーなし」と判断されるケースも想定出来ます。
実際、今回の調査の前にいつくかのブログを拝見した際、ヘッダーメニューに設置してあるプライバシーポリシーになかなか気がつけないことがありました。
フッターメニューに置きたくない場合は、追従型のメニューバーに設置したり、ユーザーのアクセスが良くすることを心がけると良いかと思います。
記事タイトルでよく使われている単語
更に参考データとして、対象ブログのfeedから記事タイトルを取得し、形態素解析を掛け、頻出単語のランキングも作ってみましたので、ご笑覧ください。
単語 | 出現回数 |
---|---|
紹介 | 24 |
初心者 | 22 |
方法 | 20 |
ジン | 18 |
おすすめ | 18 |
合格 | 17 |
ジン | 17 |
解説 | 15 |
体験 | 15 |
試験 | 14 |
ブログ | 13 |
理由 | 13 |
レビュー | 13 |
夫婦 | 13 |
利益 | 10 |
ママ | 10 |
キャベツ | 10 |
投資 | 10 |
子ども | 10 |
楽天 | 9 |
NBA | 9 |
タイ | 9 |
封入 | 9 |
必見 | 8 |
オススメ | 8 |
対処 | 8 |
情報 | 8 |
ポイント | 8 |
長崎 | 8 |
勉強 | 8 |
妊娠 | 7 |
対策 | 7 |
購入 | 7 |
選手 | 7 |
UV | 7 |
ねこ | 6 |
エポキシレジン | 6 |
作り方 | 6 |
魅力 | 6 |
利用 | 6 |
まとめ | 6 |
無料 | 6 |
様子 | 6 |
シーズン | 6 |
基本 | 6 |
農家 | 6 |
カラー | 6 |
仕上がり | 6 |
シート | 6 |
パソコン | 5 |
予防 | 5 |
アド | 5 |
センス | 5 |
ふるさと | 5 |
納税 | 5 |
看護 | 5 |
プレゼント | 5 |
ドライバー | 5 |
更新 | 5 |
旦那 | 5 |
帝王切開 | 5 |
入院 | 5 |
悩み | 5 |
プロテイン | 5 |
コロナ | 5 |
レポ | 5 |
現役 | 5 |
検診 | 5 |
デジタル | 5 |
一緒 | 5 |
学習 | 5 |
イン | 5 |
ビザ | 5 |
出産 | 5 |
自分 | 5 |
メリット | 5 |
スマホ | 5 |
!!【 | 5 |
手作り | 5 |
50サイト分しかデータがないので、偏りはありますが、アドセンス合格ブログがどういった記事を書いているのかの参考にはなるかと思います。
まとめ
繰り返しになりますが、アドセンス合格コンサルは成果を明確に示す事ができないサービスだと考えています。
アドセンス不合格になって、気落ちした初心者ブロガーさんに対し、コンサルティングサービスの提案が送られてくることがあります。
「相談出来る環境を確保する」ということは価値がありますので、サービスを全否定するわけではありません。
この記事で触れた各内容を確認いただいた上で、何を求めるのかを明確して、サービスを利用するのが良いと考えています。
- アドセンスの審査基準は公式には発表されていない
- 審査は人によって行われるので、審査結果は必ずしも画一でなく、運の要素も含まれる
- Googleのパブリッシャーポリシーの内容
- 加えて制限コンテンツの内容
- Googleのウェブマスター向けガイドラインの内容
- ネット広告の規制周りのトレンド
- アドセンス合格したブログの傾向
コンサルティングというより、モチベーション維持のカウンセリングが必要とかであれば、提供物と需要がマッチするかもしれません。
本格的なブログ運営には、サーバ代、テンプレ購入、ツール利用など案外お金が掛かったりしますので、ブロガーさんがより納得し、効率の良いお金の使い方ができる一助になれればと願っております。