この記事は、
念願のGoogleアドセンス審査に合格した!嬉しい!
と今、喜んでいるブロガーさんにぜひ読んで欲しいと思って書いた記事です。
まずは何より、合格おめでとうございます!
合格するまでに、レンタルサーバーの準備、WordPressの設定、デザイン調整、ブログ執筆、プライバシーポリシーや問い合わせフォームの準備など、様々なことに対応されてきたと思います。この経験だけでも、ブログ運営に挑戦していなければ得ることが出来なかった、素晴らしい経験とノウハウだと思います。
そんな多くのブロガーさんが最初の目標としているGoogleアドセンス合格。しかしそれは、月並みな言い方になりますが、広告収益を拡大させるためのスタートラインです。
Googleアドセンスの場合、広告タグを設置しておくだけでもある程度の収益機会はありますが、それだけでは最良な方法とは言えません。みなさんがブログでより広告収益を上げるために、アドセンス合格後に知るべきこと、やるべきことをまとめたいと思います。
長くなると思いますので、まずはこの記事では「知るべきこと」をまとめたいと思います。
- ネット広告のビジネス構造
- ブロガーが見るべき収益指標
なおご参考までに、ネット広告収益関連の筆者の経験をご紹介させていただきます。
- インターネット広告(主にモバイル系)に携わって15年
- 月間3000万PV以上のレビューメディアの広告事業全体のコンサルティング
- 月間5億PV以上のメディア web広告収益サポート
- 国内1000万DL以上のアプリメディアの広告事業全体のコンサルティング
個人のブログ運営という点ではまだまだひよっ子ですが、サイトの広告収益拡大という点では実務経験もありますので、その経験から皆さんのお役に立つ記事にできればと思っています。
ネット広告のビジネス構造
Googleアドセンスはネット広告の1つです。そしてネット広告は1つのビジネスです。
ビジネスをより上手くいかせるためには、そのビジネス全体の構造を理解することが欠かせません。何故なら、どんな人たちが、どんな思惑でそのビジネスに関わっているかを知ることで、ビジネスの構造内における自分自身の最適な立ち振舞いを考える事ができるようになるからです。
というわけで、アドセンス広告が皆さんのブログに掲載されるまでに、どのようなプレイヤーが関わってきているのか?というのをまずは見てみましょう。
広告主
全ての広告には、当たり前のことですが広告主がいます。
広告主は、自社の製品を多くの人に買ってもらいたい、サービスを多くの人に知ってもらいたいなど、それぞれの意図を持って広告を出稿しています。その意図が、アクションやコンバージョンと呼ばれるものになります。
そして、そのコンバージョンを1件獲得するためのコストが定められています。このコスト水準は、販売する製品の価格や、獲得の難しさ、広告主の内部費用など様々な要素によって決まってきます。
広告代理店
広告を出稿する際は、
- 実際に掲載されるバナーや動画のデザイン・制作、
- 掲載をするための画面設定(Google広告に出稿する場合は、アドセンスのような管理画面が、広告主側にも用意されていて、その管理画面で出稿のための設定をする必要があります)
- 発注、支払い管理
など、様々な作業が発生します。
これを全て広告主の担当者のみで対応するのが難しい場合に、広告代理店に依頼することがあります。
広告代理店は、これらの作業代行であったり、より効率的な広告掲載のためのノウハウ提供の対価として、手数料(マージン)を得ます。
Google広告・DSP・ネットワーク
広告を実際に配信するために、Google広告(旧Googleアドワーズ)であったり、DSP(Demand Side Platform)やネットワーク(アドネットワーク)といった、他の広告システムが使用されます。
これらの広告システムでは、配信する広告バナーや動画、クリックした時の遷移先のURL、掲載時に支払う金額、掲載期間など、広告掲載に関わる様々な項目を設定します。
(この設定が多岐にわたり、かつ複雑なことが、設定ノウハウのある広告代理店に依頼する大きな理由でもあります)
ブログ運営者にとって最も関連する事項としては、掲載時に支払う金額になります。この支払設定には、広告が表示された際に支払う方式、クリックがされた時に支払う形式などがあります。
昨今の広告システムでは、支払う金額の多寡によりオークション形式で、実際に掲載する広告を決定するようになっています。オークションに勝ち、より多くの人に広告を見てもらい、より多くのコンバージョンを獲得するために、広告主は十分に合理的な金額で、支払金額を入札する必要があります。
Googleアドセンス
Googleアドセンスは、Google広告やDSP・ネットワークとシステム的に連携をしており、設定された広告掲載情報を取得し、実際の広告掲載を実行・管理するシステムとなります。
Googleアドセンスは、Google広告で配信されている広告のみを表示すると思われがちですが、実はGoogle以外のDSPやネットワークの広告も配信されます。
配信されているネットワークはアドセンスの管理画面で表示させることが出来ます。
アドセンスの「レポート」から、内訳で「広告ネットワーク」を選択します。
そうすると、以下のようにGoogle以外のDSP・ネットワークからの広告掲載も確認することが出来ます。
皆さんのブログに広告が掲載されるまでには様々なプレイヤーが関わっており、そして、それぞれが思惑を持っています。
このエコシステムを何となくでも理解しておくことは、皆さんのブログの広告表示をより高く買ってもらう、ための最初の一歩になると考えています。
ブロガーが見るべき収益指標
ブログサイトが広告収益を得るまでには、集客から実際の収益発生まで、いくつかの段階を踏むことになります。まずは、その全体像を漏斗型(ファネル型)にしてみます。
このような、集客~成果発生までの漏斗型の図表はコンバージョンファネルと呼ばれています。
ブログにおけるコンバージョンファネル
まずはブログへ、ユーザーに訪問してもらうことがスタートになります。そのスタートを切るために、各種の流入(集客)の対策を行うことになります。普段、皆さんがキーワードを決めたり、ブログ記事を書いたり、それをTwitterで告知したり、外部リンクを増やしたり、というのはこの流入対策ということになります。
ただ、今回の記事では広告収益そのものの指標ということで、流入については語らず(もといもっと詳しい記事を書かれている諸先輩も沢山いらっしゃるので)、訪問以降にフォーカスしていきます。
ブログ訪問後は、
- ブログ内での広告主サイトへの誘導(広告表示、誘導するための記事)
- 広告主サイト訪問から成果への転換(=成果発生)
- 成果の承認(案件による)
という流れで進んでいきます。
それぞれのステップの間を転換する際の「転換率」も重要な指標となりますので、このファネルに追加してみます。
広告収益の発生する箇所
上記のフロー内でコインのアイコンがついている部分が、広告収益の発生地点となります。それぞれの発生地点は以下の通りとなります。
広告収益の発生地点 | 概要 | 広告業界的な呼び方 |
---|---|---|
広告表示 | ブログサイト上に広告が表示された際に支払われる(表示の定義は、広告事業者によって異なる) | imp課金、表示保証 |
クリック(広告主サイトへの送客) | ブログサイト上に表示された広告を読者がクリックした際に支払われる(重複クリックなどは支払われない) | クリック課金、CPC課金、クリック保証 |
コンバージョン | 告主サイト内にて事前に指定された成果が発生した場合に支払われる | アフィリエイト、CPA課金、成果報酬、成果保証 |
コンバージョン承認 | 発生した成果のうち、条件に合致するもののみが承認され、承認されたコンバージョンのみ支払われる | アフィリエイト、CPA課金、成果報酬 、成果保証 |
更に、広告収益をどのような事業者から獲得出来るか、という点を見てみると、以下のような区分になるケースが多いです。
注力するべき指標は何か?
それではこのコンバージョンファネルの要素を全て改善していけば良いか、と問われるとそうではありません。実際にブログ運営者側が直接的に影響を及ぼせる範囲は、限られているからです。
ブログ読者を広告主のサイトに誘導したあとは、ブログ運営者側では、何もすることは出来ません。よって、ブログ運営者は、それ以前のステップにおける数値改善に注力するべきです。
筆者の実務における経験も含め、最もシンプルで、最も重要な指標は、
ページビューあたりの収益
だと考えています。
ページビューという、ブロガーさんが一生懸命生み出した資産が、どのくらいの収益を生み出しているか?という指標になります。アドセンスを収益の柱にしようとすれば、ページビューごとに広告表示の機会が発生するので、その指標はとても重要です。
アフィリエイトを組みわせて、もしくはアフィリエイトのみで収益を得ようとする場合であっても同様で、自分の生み出したPVという資産が、最終的にどの程度の収益を生み出すのかという考え方は、そのまま適用できると考えています。
アドセンスレポートでは、以下の箇所に表示され数字になります。
アドセンスを始め他の広告ネットワークでは、だいたいが1000PVあたりの数値として表示されます(RPM = Revenue Per Mill ※Millは1000という意味です)。
ネットワークによっては、分母が表示回数になっている場合もありますので、レポート画面の数字だけでなく、GoogleAnalyticsなどのPVをもとに、自身で算出することも必要になってくるかと思います。
ページが表示されたけど、下部の広告が表示される前に読者が離脱した場合、ページビューと広告表示回数に差異が出てくきます。実際のページビューあたりの収益の変動を見ながら、
- 広告の表示位置の見直し
- 広告枠の追加、削除
- 広告のサイズや形式の見直し
などの調整を行っていくことになります。
アフィリエイト広告を併用している場合は、アフィリエイト誘導リンクまでの間に、サイトから途中離脱する可能性のあるアドセンス広告枠を削除するなど、実際の収益構成に併せた運用が重要になってきます。
まとめ
- アドセンスから広告が配信されまでには、広告主、広告代理店、Google広告(DSP、ネットワーク)など、複数のプレイヤーが関わっている
- それらのプレイヤーに広告を高く買ってもらう、という発想が重要
- ブログ運営者が見るべき収益指標はページビューあたりの収益
- その指標を見ながら、掲載する広告枠などの調整を行っていく
この次の記事では、実際に高く広告を買ってもらうための準備や作業について、まとめていきたいと思います。
高く買ってもらう=広告主にとっても望ましい、ということになりますので、関係するプレイヤーみんなにとってより良い広告環境を作る役に立てることを願っております。